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南郷アートプロジェクト2014|南郷Re-collection

barスマモリ★マスター対談

「barスマモリ」は、島守に関わりのある方が月替わりでマスターを務めます。そして、そのときの感想や、島守のことや地域に対する思いを率直に話してもらう「マスター対談」をしていただきます。5月のマスターを務めたのは、料理上手でみんなのやさしいお姉さん的存在の島守住民、田中聖子さん。どんな話が登場するか、興味津々です。

まちで飲まなくていい!― みんなの“あったらいいな”barスマモリ

山本:
まずは、マスターをやってみてどうでした?
田中:
勢いで引き受けて、てんぱりました。人数がはっきりしないところでどうしようかなって。でもみなさん結構食べてくれて、結局なくなりましたよね。
山本:
次の日のご飯にしようと思ってたのに残ってなかったもん(笑)貝のスープがおいしかったよねー。
田中:
バーの前の日に、友達がホタテをたくさん送ってくれて、じゃあ「山本さんち」で出そうと思って。
山本:
これまで、2回やってみたけど1回目は若者が多くて、2回目はおじさんが多くて。そうやって広がっていくことがいいことだと思うんです。
田中:
『barスマモリ』があれば、まちで飲まなくていいんだもん。徒歩で帰れるなんて、すばらしい!
山本:
みんなの「あったらいいな」、つまりこの村にとっての「コンビニエンス」とは何ぞやと。島守地区の居酒屋は何年か前になくなってるけど、やっぱり儲かんないと難しいもんね。
でもここは儲かんなくてもいい仕組みだから、続けていけると思うんだよね。だから、これが定着していってほしい。それに、マスターが変わることで、マスターつながりで毎回新しい人がやってくるようにもなるよね。今年は12回やりますよ。来年は月2回ペースでやるのが目標かなぁ。

わけのわからないやつが、わけのわからないことをすること、よそ者の役割とは

山本:
でもどうなんですか?ずっと島守にいる人にとって僕みたいなわけわかんないのがやってきて、わけのわからないことをやっていて。
田中:
ここにずっといる人たちは、今までやってきたことしかやらないじゃないですか。お祭りとかえんぶりとか、いつもやっていることはたんたんとやるけど、そのほかに何かっていうのがたぶん考えられない。
若い人も少ないし、なかなか新しいことをやろうと思いつかないというか余裕がないというか。
山本:
おもしろいことがこの場所にはない、あるわけがないっていう頭になっていると思うんだよね。それはどんな土地にいる人もそうだと思う。
ずっと同じ土地にいると、当たり前になりすぎて見えなくなる。だから、何もないのによく来たねって言われる。
でもよその人から見るといいところはたくさんあって、そこに光を当てるのが楽しい。それをやっていくのがよそものの役割じゃないかと思うし、僕が来たことによっていろんな変なことを経験して、村の人たちも気持ちをちょっと変えてってくれるとうれしいと思ってる。
田中:
山本さんが来たことによって、いろんなことを始めて、そこに地元の人が参加してる。そのことをそれなりに楽しんでいるんじゃないのかな。
山本:
そういうふうに見てくれてるのはうれしいなぁ。でも、ここに私が来ていいんだろうかと思っているというか、まだ遠慮しているという感じがあるんじゃないかなー。それはこのあたりの人たちの気質も関係してるのかもしれないけど。
田中:
「山本さんち」の大掃除とか全く来たことがなかったんですよ。
山本:
いつごろから関わるようになったんだっけ?
田中:
保育所の企画が始まってからかな。それからだよね。
山本:
今考えると、あの企画はいいきっかけになったよね。
田中さん以外にも、地元の若い人たち、地元を離れた若い人たちが関わってくれて。
田中:
私もここで初めて、同級生以外の、今まで全く関わりがなかった人たちに会うことになって。
山本:
『barスマモリ』の1回目も、地元の20代の子たちが来てくれて、なかなか会うことのない人たちでここで交流するということが起こったし、村のなかの出来事としては、意味があることなんじゃないかな。
例えば消防団とか集まりはあるけれど、消防に入らないと、その集まりには参加できない。それ以外の人たちの参加の場はあまりない気がする。
高橋:
男の人の集まりが多い印象あるけど、女の人の集まりはあるんですか?
田中:
婦人会ぐらいかな…。集まってご飯食べて、みたいな。
山本:
それここでやってほしいな!
田中:
あんまり若いお母さんたちの集まりはないし、女の人の集まりは婦人会ぐらいだよね。
高橋:
「山本さんち」でガールズバー…。
山本:
ガールズバーね…。お客さん増えちゃうかな(笑)
いつかそういう日がくるといいよね、婦人会が「山本さんち」で開催されてるみたいな。「山本さんち」がそういう場になっていけばうれしいな。

自分の地域で何かしていくこと―地域の新しい動き「すまもり中世の田んぼクラブ」

山本:
女の人といえば、5月25日のすまもり中世の田んぼクラブの田植えイベントでも、お母さんたちがたらぽの天ぷらを出してくれるって聞いたんだけど。やっぱりお母さんたちの力っていうのもあるんだよね。
田中:
すまもり中世の田んぼクラブの関係者だけでやろうって最初は言ってたけど、結局広がったよね。
山本:
田んぼクラブ以外の人たちが関わってくれてるよね。米づくりを教えてくれる先生は、地元のおじさんたちだしね。
田中:
誰かのお母さんとか、近所の人とかね。
山本:
中世の田んぼクラブの動きはすごくいい。地元の人には米づくりとか料理とか、ノウハウがあるから彼らにとっては出番なわけだ。そういう得意なことをやってもらえる場を僕らが用意するっていう形になってきていて、いい広がりができてるし、島守から出ちゃった人もメンバーになってくれてる。
田中:
今は東京に住んでる人も田植えに来てくれるらしいよ。
山本:
それはすごいね!地元に対する愛を感じる。帰ってきたいと思ってる人はいるってことだよね。
田中:
私、地元にあまり深く関わらないようにしてきたんですよ。しがらみとかがとってもいやで、それで背を向けてきたんだよね。
高橋:
私の故郷も南郷と同じように、地域の人との距離がすごく近いところなんですけど、やっぱり自分で何かできる気がしないんですよね。ずっと住んでいるとその地域を背負って生きていかなきゃいけないから、下手なことできないですよね。新しい地域の動きを起こすのは、ある意味無責任なよそ者にしかできないのかもしれない…。
田中:
やっぱり地元の人だと自分のことだけじゃなくて家のことも一緒に見られたりするから、下手なことはできないよ。
高橋:
だから離れていきたくなっちゃうし、自分も離れちゃってるんですけど…。本当は全然関係ないところじゃなくて、自分の地元で何か動きをつくっていけるのが一番いいと思うんですけどね。
田中:
でもやっぱりここで生きてくしかないなっていう覚悟が最近でてきたっていうか…。肝を据えました。
山本:
おっ!それ書いておかないと。「田中さん、肝を据える」って。
田中:
だから、今のつながりを大事にしていこうと思ってる。肝を据えてなかったら、保育所企画にも、「山本さんち」にも関わってなかったと思う。田んぼクラブも、自分のうちでも田んぼがあるからあんまり関われないと思って、最初は断ったんだよね。でも、幽霊部員でもいいからって言われて、それなら、と思って関わり始めたんだけど、結局のめりこんじゃってるよね。
山本:
でもいろんなことを面白がれる気持ちを持っているってことって大事だよね。それがあれば、どんな過疎の村だって楽しく生きられるような気がする。地域活性化も実は心の問題というか。このまちで何かできるんだっていう気持ちを一人一人が持っていれば、そういう空気ってできてくると思うんだよね。ただ、それを作り上げるにはある種の成功体験というのが大事になってくる。そのために地域に何か化学変化を起こすようなことをやってみたい。
高橋:
なんかやりたいって一人で思ったときに、それが実現できると思わせてくれるような場があったり、後押ししてくれる人がいれば、小さなことからかもしれないけど、なんか始めていこうって気になると思うんですよね。
山本:
自分らでなんかやっていこうぜ、っていう空気を持っていれば、ほかの地域をうらやましいと思うこともないかもしれないしね。そのためには、いろいろなものが地域のなかで成功して、それがメディアに載るってことが大事だと思う。それを見て、もしかしてこの地域はいいんじゃないか、と思う気持ちが芽生えてくる。そのために貢献したいと思っています。って、ちゃんと録音されてる?(笑)

えんぶり

八戸地方に伝わる民俗芸能。その年の豊作を祈願するための舞で、太夫と呼ばれる舞手が馬の頭を象った華やかな烏帽子を被り、頭を大きく振る独特の舞が大きな特徴。

「山本さんち」の大掃除

2012年6月9日、空き家だった「山本さんち」の大掃除を地域内外に呼びかけ、ボランティアメンバーと共に行った。

保育所の企画

2014年3月の島守保育所の閉所に伴い、島守保育所に「ありがとう」を告げるアートプロジェクト「ありがとう島守保育所」を実施。保育所卒園者を中心とした「島守保育所を語る会」が10ヶ月の企画ミーティングを経て、2014年2月22日にアートイベントを実施した。

すまもり中世の田んぼクラブ

島守地区で発見された鎌倉時代の田んぼを活用し、米作りをはじめとした地域おこしに取り組む団体。地元に住む30代~40代が中心メンバーとなり活動している。