Loading...

Loading...

南郷アートプロジェクト2014|南郷Re-collection

barスマモリ★マスター対談

『barスマモリ』は、島守に関わりのある方が、月替わりでマスターを務めます。そして、そのときの感想や、島守のことや地域に対する想いを率直に話してもらう「マスター対談」をしていただいています。11月のマスターを務めたのは、広島生まれ、徳島育ちで、八戸に来て16年のサム助さん。彼から見た島守は、どんな風に映っているのでしょうか。今回も興味深いお話満載です。

早いうちにこっちに来たのは「勝ち組」だと思う

山本:
今回はマスターを引き受けていただいてありがとうございました。
サム助:
僕でいいのかなと思いましたよ。
山本:
僕も一回くらいしか会ったことないんだよね。でもそんな感じでいろんな人がマスターをやってくれるのがいいと思ってるんです。サム助さんは八戸の人じゃないですよね?何がきっかけで、いつ頃来たんですか?
サム助:
98年の12月に来たから、もう16年になるかな。八戸に来る前は、東京にいました。生まれは広島で、育ちは徳島。大学から東京に出て、就職して、八戸には転勤で来ました。それでなんかここにいようかな~と思って、2ヶ月で転勤のところを、希望を出して、しばらくいることにして…。そのあと八戸の人と結婚して、今に至るって感じですね。気づいたら人生の半分くらいは八戸にいるかも。
山本:
いようと思ったってことは、八戸は居心地がよかったんですか?
サム助:
東京生活を10年近くした後に、初めて青森に来て、徳島に似たものを感じて、自分は田舎が好きなんだなと再確認したんですよ。自分はやっぱり田舎の人間だなって。
山本:
東京の生活は嫌だったですか?
サム助:
嫌って感じてたと思います。
山本:
だよね~。オレ、4年くらいでリタイアしたもん。
サム助:
大学に行く分にはよかったんですけど、働き始めて最初の勤務地が新宿で、通勤電車が嫌で…。都会って変化のサイクルが早くて短い。人間が都会の都合に合わせて生きてる感じがしたんですよね。刺激も多いので、若いうちはよかったですけどね。すでに音楽をやってたので、東京だといろんな情報が入ってきたし。
山本:
よく「勝ち組」「負け組」とかいうけど、早いうちにこっちに来たのは「勝ち組」だと思う。世間一般では違うのかもしれないけどさ。地方でも仙台とか札幌とかは、転勤族が多くて、人がどんどん入れ替わっていて、方言も訛りもなくなって、どんどんフラットになってる感じがするんだよね。それがまちの魅力を失わせている気がする。でも八戸は、方言も残ってるし、そこもホッとする要素だよね。
高橋:
同じ田舎好きでも、南の出身の人って南に行きたがる傾向があると思うんですけど、何で北を選んだのかなって。寒さは大丈夫だったんですか?
サム助:
逆に昔から寒さを体験したいって思いが強くて。どれくらい寒いのに耐えられるんだろうかって。昔はもっと寒かったけど、最近は、八戸ぐらいじゃ生ぬるい感じですよ。暑いほうがしんどい。徳島なんて僕にとっては気絶しそうなくらい暑い!

観光よりも、住むのにいいとこなんだと思う

山本:
住んでる間に新幹線も開通して、はっちもできて…。いろんな出来事があったんじゃないですか?
サム助:
八戸はずいぶん変わりましたね。
山本:
僕が初めて来た4年前ともだいぶ違うもんね。八戸駅のまわりとか。サム助さんが来たときは、南郷もまだ村だったしね。16年もいると、八戸はもう馴染んで、自分のまちって感じなんですかね?
サム助:
どんなもんでしょうね~。ちょっとそれは分からないですね。八戸に十何年住んだところで全く地元感はないですね。それは悪い意味ではなくて、客観的に八戸のことを見れてるってことなんですよね。八戸はここ数年で随分変わったなって、しみじみ思います。良い方に変わった。最初の十年間では感じなかった変化を、この5年で感じてます。
山本:
やっぱりはっちができたのは、大きいんじゃないかな。はっちを建てようっていう気運から、実際に建物が出来てみてみんなが使っている今の状況があって。4年前と比べたら、まちなかを歩いている人は、確実に増えましたよね。
サム助:
こういう言い方がいいのかは分からないけど、前よりも文化的なレベルが上がってるなというのは非常に感じます。そして、以前よりもいい意味で、八戸にプライドを持って、八戸を好きだという人が増えてますよね。前は、八戸はこれでいいんだから、ほっといてくれって姿勢があって、なかなか交われなかったんですよ。今はいい意味で丸くなってる。だからすごい住みやすくなりました。
山本:
へぇ~。でも僕はまだ遠慮して、堂々と「八戸はいい!」って言えない南部人の血を感じるんだけどな。
サム助:
もしかして、自分も含めたよそ者が「八戸を好き」って言ってるのが、いい形でまちの雰囲気に出てきているのかもしれないですね。
山本:
よそからきた僕の友達も、八戸いい、八戸好きだって言って帰っていきますよ。ここに住まわしてもらっている「よそ者」だからこそ、ちゃんと「ここはいい」って声にしていく役割を持ってると思うんですよね。地元に何十年も住んでいる人が気づかなかったことに、光を当てていくっていう役割が。
サム助:
近くのライバルっていうので、八戸って函館にコンプレックスがあると思うんですよね。どちらも港町だし、イカが有名だし。でも函館は観光客が多くて、「なんであんなに上手くやってるの?」っていう思いはずっとあったと思うんですよ。あそこは幕末の歴史もあるから、八戸と違うところもあるけど、一番大きいのって、函館市民のメンタリティが観光に向いてるんですよね。八戸はコンテンツは豊かなのに、なんだか観光には向いてないんですよね。
山本:
いいでしょ、これいいでしょって言わない血が流れてる。
サム助:
三社大祭とかすごいんだけど、PR力でねぶたに負けてるよね。もったいない!
山本:
逆に考えると、だからこそ今も残ってるのかもしれない。観光化すると趣きが変わっちゃうじゃん。観光化はいいのかもしれないし、悪いのかもしれない。
サム助:
確かにそうですよね。でも、前は自分のまちをうまくアピールできないことに対して、卑屈なものを感じた時もあったんだけど、最近はそれを感じない。
山本:
何かが変わってきてるんだろうね。僕は八戸のことに自信を持っている人たちが増えることが大事だってずっと言ってるんだけど、そうなってきてるのかもね。
サム助:
八戸は住みやすいですしね。雪もあまりないし、海も山もあって、食べ物も安くておいしいし。
山本:
人もいいしね。僕はみんなにこんないいとこないって勧めてる。
サム助:
住むと良さが分かりやすいんだよね。観光よりも、住むのにいいとこなんだと思う。それもあって十何年も住めたんだと思う。「八戸大好き!」ってわけじゃないけど、生活がホンワカしていいんだよね。
山本:
それが「豊か」ってことなんだろうね。いろんなまちに行くけど、八戸に帰りたいって思うもん。文化、歴史、食べ物…いろんな要素があるけど、やっぱり人だよね。人が合ってるんだと思う。

はっち

青森県八戸市の地域観光交流施設。正式名称は「八戸ポータルミュージアム」。

三社大祭

約290年続く八戸地方最大の祭り。毎年7/31~8/4に開催され、豪華絢爛な山車が運行され、神輿行列、虎舞などが行われる。